パワーアップセミナーの報告
さてさて、既に1週間経ってしまったのですが・・・
先週のあけぼの滋賀主催の「乳がん患者パワーアップセミナー」の報告をします。
今回最終のパワーアップセミナーの講演会は「乳がんの再発・転移」でした。
講師は滋賀医科大学付属病院の乳腺外科の阿部元Drです。
ここにはDrからの資料をもとに、わたしが興味あったことを抜粋して掲載します。
講演は乳がんに関する認識から薬剤の説明、特にハープセチンについての説明が主となりました。
先ず転移とは・・・
たんぽぽの綿毛が飛ぶ前に根こそぎ取れたら転移はなく、手術の時点で既に綿毛が飛んでいたら転移があると思ってよいという分かりやすい説明で始まりました。
そっかぁ~わたしは既に綿毛が飛んでたんだなぁ~と妙に納得・・・(^^ゞ
転移再発の予防との関連性がよく指摘されることについて
☆肥満は乳がんの発症と関連がありますか?
内臓脂肪型肥満についての寒冷性は欧米からの報告はあるが日本では結論が出せるほどのデーターは出てない。
しかし、生活習慣病を考えても肥満は避けるべきです。
(ただ、閉経後の人は皮下脂肪をでエストロゲンに変えていくわけですから肥満は敵じゃないかと・・・思います。)
☆アルコール飲料の摂取は乳がん発症の危険因子になりますか?
1日平均2杯以上摂取する場合、飲む量が増えれば増えるほど乳がん発症の危険が高まる可能性がある。
飲酒は酔わない程度(個人差がある)の量にしましょう。
☆大豆イソフラボンの摂取が予防になるといのは?
大豆食品を多く取る人は、ほとんど取らない人に比べ、発症が少ないという報告はありますが、食品からでなくサプリメントの形で服用した場合は過剰摂取になって良くない。
☆運動を多くしたほうがいいですか?
日常生活において運動量の少ない人は乳がん発症のリスクがやや高くなると考えられる。日ごろから、ストレス解消のためにもスィミングやウォーキングを習慣ずけるのが良い。
再発・転移を見つけるために
☆自己検診
:術側の点検 へこみ、ひきつれ、膨らみなどの皮膚の変化、しこり、発赤の有無
(乳房を温存した場合は残った乳房の中のしこり、乳頭からの異常分泌の有無もチェック)
:手術してない側の乳房 皮膚の変化の有無、乳房中のしこり、乳頭からの異常分泌、ただれ、など
☆定期健診
3ヶ月~6ヶ月ごとに
視・触診にて、手術部位・周辺のリンパ節・対称乳房
血液検査にて腫瘍マーカーなど
6ヶ月~1年ごとに
胸部X線・対称乳房マンモグラフィ・超音波
必要に応じて、骨シンチ・CT・MRIなど
アメリカでは保険の関係上もあり自覚症状が出たら検査する方式ですが、まだがん細胞の数が少ない早い時期に見つけるほうが良いと思うので、定期検査は受けた方が良い。
☆再発した時の症状
肺転移 : 1日中持続する頑固な咳。胸水が溜まった場合には息切れ。
肝転移 : お腹が張ってみぞおちに圧迫感。黄疸(かなり進んでる)
骨転移 : 転移部位の痛み。病的骨折。
脳転移 : 頑固な吐き気、頑固な頭痛、長く続くふらつき。大きくなれば痙攣や四肢の運動機能低下
☆腫瘍マーカーとはどのような意味があるのでしょうか?
手術後の再発の有無をチェックしたり、再発したり全身に広がった乳がんに対して治療が効いたかどうか知りたい場合によい指標となることがあります。
しかし、現時点では腫瘍マーカー測定の有益性に関する確かなエビデンス(根拠)はないとされています。
(わたしの場合は毎月のマーカーの変動(上昇)で、痛みが出るより先に骨転移を発見することが出来ました。)
再発治療の決め方
♥ 転移、再発部位
♥ ホルモンレセプター発現の有無
♥ HER2(ハーツー)たんぱく質発現の有無
♥ 術後療法の内容
(これについては転居などで転院されてデーターが全くない場合は大変困る)
♥ 手術から転移・再発までの期間
♥ 閉経状況
転移病巣にたいする手術は必要ですか?
乳がんの肺転移、肝転移、骨転移などに対して、手術は原則として行いません。
手術が考慮される場合
: 乳がんの転移の確定診断が難しく手術で確かめる必要がある場合
: 手術により患者さんのQOLが保たれる場合
: がんの生物的特徴を調べる場合
乳がんの骨転移、脳転移に放射線治療は有効ですか?
骨転移による痛みを和らげたり、骨折を予防しますので、痛みがあったり骨折の危険がある人にお勧めします。
脳に転移が起こると、頭痛・嘔吐や麻痺など様々な症状が起こります。放射線はこれらの症状を和らげるのに有効です。
がんの痛みは我慢しないで痛み止めを使った方がよい。
そして、最後に 賢い患者さんになりましょう との言葉がありました。
○自分の医療に対して自らの責任を引き受けようとする
○自ら情報を取得すると共に、その情報を自分で評価するよう努める。
自律・自立的に病気に向き合う!
: 医療水準に見合った治療を受けても、全ての患者さんが助かるわけではない
生命の複雑性と有限性、各個人の多様性、医療の不確性が前提
: 治るか治らないかわからないものを、共に治そうという合意の下に行なわれるのが治療という共同作業である。
: 「お任せします」といわれても医者は困る。ましてや、「お任せします」と言いながら、失敗・再発したと文句を言われるのはもっと困る。
専門医として全知全能ではない。
: 患者さんもきちんと勉強してきちんと覚悟して欲しい。
: それがこの共同作業における、患者さん側の義務である。
その後、ピアカウンセリングの時間は質問コーナーに切り替えられて、ハープセチンについても質問が多くよせられました。
その中で、大切だと思ったものは
予防での使用も保険対象になったので、術後1年以内であれば効果はあるとされるので、今からでも対象者は初めるのが良い。
治療期間は、1年と2年の治験結果はまだ出てない。世界的には1年とされている。
2プラスの人も、追加検査(フィッシュ方)をして陽性であれば使用可能なので調べて是非使用するのが良い。
以上です。お付き合いありがとうございました。
さて、今年の 琵琶湖ピンクリボンフェスタ も明後日に迫りました。
特別講演は「日本女性の乳がんの特徴」について、京大乳腺外科教授戸井雅和Drです。
当日わたしは講演会場の受付にいますので、是非お声を掛けてくださいね。(^_-)-☆
by coo-sora | 2008-09-21 18:21 | 心にいいこと