百人百色

鈴木ヒロミツさんの出された本「余命三ヶ月のラブレター」を読みました。
亡くなる10日ほど前のインタビューと奥さんと息子さん宛てに書かれたノート4冊を基にまとめられたものでした。
この本は発売当日のお昼頃本屋さんへ行ったけれど、すでに無くてガッカリしていたら妹から電話があって、「最後の1冊をゲットしたから、お姉ちゃんは買わなくていいからね」って。
その夜のうちに彼女はこの本を読み終えて、翌日借りることにしました。
この本を読んだ妹は、泣けて仕方ないと・・・それに加えて、女優の宮崎ますみさんがホルモン治療の副作用がきつくて薬を止めてしまったことを知って、「お姉ちゃんもそんなにしんどいの?ずっと我慢してるの?止めたいと思ってるの?」「わたしは何も分かってないと思う」「お母さんもお父さんもどんな気持ちで死んでいったのか・・・」「お姉ちゃんの気持ちも何も分かってないように思う」そんな内容のメールが届き、かなり落ち込んでいるのが分かりました。
彼女は次は自分が癌になると凄く恐がっていますし、何とかわたしを力付けようと毎日心砕いてくれていますから。
当のわたしは「そうかぁ・・・ヒロミツさんはそんなふに想って最後を送られたんだ・・・」と、何故かとても冷静に受け止めていました。
たぶん本の半分以上がヒロミツさんの若い頃のお話だったこともあったと思いますが、以前はこういう種類の本を読むと泣いて泣いて・・・ボロボロになってたんですけれど・・・。最近は強くなったのか、わたしはわたしって思えるようになったのか・・・。
そうなんですよね。
ガン患者とひとくちに言ってもホントにそれぞれなんです。種類も進行状況もひとりひとり違う。
当然同じ乳癌でも人によって効く薬も副作用も違うから参考にはなるけど、人が悪くなったから自分もと落ち込むこともない。事実、わたしよりステージの悪い人でも転移せずにいるのですから、生存率が悪いからと悲観的になる必要はないのです・・・ということが、2年半経過してようやく分かってきたことです。
今、思い出しました。
まだ放射線治療を受けていたころのことです。
待合室で・・・あなたも乳癌ですか?と声をかけられたことがありました。
彼女は、
「わたし乳癌で、抗癌剤で髪の毛が抜けて顔もシミだらけ、爪も真っ黒になってるのに!どうして、あなたは髪が抜けてないの?!わたしはカツラなのに!!」と、凄い剣幕で捲くし立てたかと思うとワッーと、泣き出してしまわれたのです。
その頃のわたしはまだタキソールの量が少なく、髪は元のロングのままでしたから。
(その後タキソールを増やしたので抜けてしまいましたが。)
でも、よく話を聞けば彼女の方がわたしよりずいぶん早期だったのです。
乳癌は癌というだけで死の恐怖でまいってしまうのに、オッパイは無くなるは、髪は抜けるはシミだらけ、爪は黒ずみ汗はダラダラ・・・もう女として終わってしまったように思えてきます。
わたしの人生はもう終わりだって・・・。
ホルモン治療していると副作用としてうつ状態にもなりますから、余計たちが悪いですよね。
でもね、それまでみたいに頑張ることも、人に気遣うことも、他人を気にすることも止めて、「わたしはわたし!」って、思いたいです。
まだまだ凹んだり落ち込んだりジェットコースターだけれど・・・わたしらしく生きて行きたい。
鈴木ヒロミツさんのような最期は送れないかもしれないけれど、わたしはわたし。
あなたはあなた!
そしてわたしは、わたしらしさを模索中です。

改めて、「鈴木ヒロミツさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。」
[PR]

by coo-sora | 2007-05-18 00:13 | 想ひ